音律用語
- 音律と調律法
音律と調律法はつい混同してしまいがちなので注意が必要だ。
例えばピタゴラス音律やミーントーン音律と呼べば、7つの音の音階の様子であり、ドレミファソラシド(ダイヤトニックスケール)の音程設定によってメロディー音程や和音の個性が変わる事を考える時に音律と呼ぶべきだろう。
一方12の音を想定したものについては、調律法と呼ぶのが良いのではないだろうかと思っている。
特に、ミーントーン音律とミーントーン調律法(アロンorプレトリウスorシュニットガーetc.)は混同しがちなので気をつけたい。 - 五度・三度(重音を表わすときは漢字にした)
音楽で五度と言えば、ほぼ疑いなくC-G、G-Dなどの2音程を指すが、三度と言うと長三度なの?短三度なの?と迷うことになる。
バロック以前の短三度は協和音と感じられなかったようで、おそらく長い間、三度と言えば長三度を指していたのではなかろうか。
自然倍音の聴こえやすい範囲(C——c—g–c-e-…)にも短三度音程は含まれない。
音律の考察で三度を扱う時は、協和音程(C⇔GやC⇔e等)について考える事がほとんどなので、このサイトでは、単に三度と言えば長三度を指すものとした。 - cent(セント)
平均律の半音=100セント。
1オクターブ=1200¢。
語源はラテン語で100を意味するcentum(ケントゥム)。
通貨セント:100¢で1ドルや1ポンドに。
長さセンチ:100cmで1m。
百年紀:100年=1世紀(century)
割合%:100/cent=1(100%ヒャクパーセント) - Hz(ヘルツ)
周波数・振動数の単位
1Hzは「1秒間に1回の周波数・振動数」と定義される。 - cent(セント)とHz(ヘルツ)の兼ね合い
音程幅を表すとき、周波数(Hz)では音域によりその値が違うが、centで表すと、最低音域でも最高音域でも値は同じ。
例)1オクターブの音程幅をみてみるとA=220HzとA=440Hzの差は220Hzで1200セント、A=440HzとA=880Hzの差は440Hzで1200セント。
cent(セント)のお陰で、音律の計算や説明が簡単になっている。 - Pitch(ピッチ)
音楽では、A(ラ)の音の高さを表す。
例えばA=440Hzとは、ピアノでは鍵盤の中央より少し高い側のA(ラ)の音が440回/秒の振動数であることを表す。
およそ80年前に、国際標準ピッチとしてA=440Hzと定められてたが、それ以前は時代や地方によって様々なピッチで調律されていた。
例)ルネサンスの頃のパイプオルガンA=466Hz(各地で異なる)、バロックピッチA=415Hz ヴェルサイユピッチA=392Hzなど様々・・
現代の楽器製造のスタンダードはA=442Hzとなっている。
ピッチが違うと、同じC-eの長三度でも唸りの数が変わるので実際の調律時には重要になるが、相対的な音程幅は変わらないので、このサイトではあまり触れない。
まだまだ書き足していきます。