Praetorius
『プレトリウス』 Michael Praetorius 1571-1621
ミヒャエル・プレトリウスは作曲家・オルガニスト・音楽理論家。当時の最も多作で多彩な作曲家の一人として知られています。
彼の3巻からなる論文集『音楽大全Syntagma musicum』(1614-20年)は、同時代の演奏習慣や楽器について詳細な説明と図解がなされ、現代の音楽学・形態学研究や古楽演奏の分野にとって重要な文献となっています。
(以上Wikipedidaミヒャエル・プレトリウスより引用)
現代のピアノと違い、今でもオルガンの調律は、オルガン製作家が行うことが多いそうです。
ルネサンス時代の様々な楽器を詳細に書き留めたプレトリウスは、当時のオルガン製作家やオルガンの調律法にも深く関わっていたのでしょう。
前の時代の調律法『ミーントーン』には、明らかに狂った和音が存在しています(♭A⇔♭E と その影響で出来てしまう三度)。その和音は、使わなければ問題はないのですが、この頃から、音楽における和音の使い方が多彩になり、使えなかった和音も緩和する必要が出てきたのでしょう。
プレトリウスは、ミーントーンのウルフ(♭A-♭Eの狂った五度)の両脇を 純正五度に(♭Aを少し上げ&♭Eを少し下げ)することにより、♭A-♭Eの大きな狂いを少し緩和し、狂った4つの長三度の内、2つを緩和しています。
それでも、♭1つ、♯2つまでの主要三和音の長三度に、純正三度を残しているのは、教会音楽での厳格な祈りの響きが強く望まれていたからだろうと思います。
この調律法の考え方は、バロック時代の調律法に移行する重要な布石となっています。
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄