『キルンベルガーⅢ』
Johann Philipp Kirnberger
24 April 1721, Saalfeld – 27 July 1783,Berlin
was a musician, composer (primarily of fugues), and music theorist. ~Wikipediaより引用~
バッハの弟子でもあるキルンベルガーは、音楽家であり、また音楽理論家として知られています。調律法を書き残したことでもたいへん有名です。
ルネサンス時代から、狭く濁らせた五度[696.5cent]を4つ並べて「唸りのない純正三度」を作る方法があります。ミーントーン(中全音律)の技法です。
ミーントーンでは、これを11個並べて8つ(最多)の唸りのない長三度を作っていますが、そのために「狂って使えない和音」も出来てしまいます。
「キルンベルガーⅢ」 では、この[696.5cent]の濁った五度の並びを4つだけにすることにより、「ウルフの名残りの広い五度」と「ピタゴラス三度を超える広く狂った長三度」を無くすのに成功しています。
1つだけでもC-eに純正三度を残しているのは、古くからのパイプオルガン調律法の特徴の、「唸りのない長三度」の響きにある「厳格な祈り」を残したかったのではないでしょうか?
この時代になって、いろいろな三度の美しさが認められ、すべての調が使えるようになったと考えられています。
平均律で使う ほんの少し濁った五度[700cent]が1つ存在しますが、これは、必然的(700×12)ー(696.5×4+702×7)に出来るしわ寄せ五度(=700)です。♯F-♯Cに置かれているのは、 「♯が三つになる調」から影響を受けるピタゴラス三度の多い唸りを減らす効果を考えてのことでしょう。
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄