YoungⅡ
『ヤング』Thomas Young
13 June 1773 – 10 May 1829
トーマスヤングは、イギリスの物理学者で、色覚・光学や弾性体力学の研究でも知られています。ベートーベン(1770–1827)と同時期に活躍した人。1800年に医師として開業もしているようです。( Wikipedia より引用)
ヤングⅡと呼ばれている調律法は、『ヴァロッティ』と同じ構成ながら、五度圏で一つシャープ側に回転したものになります。
ヴァロッティの調律法と同じく、「ピタゴラスのコンマ24cent」を「6つの五度で4centずつ均等に受け持った方法」と言えます。
Cを起点として、♯側に濁った五度[698cent]を6つ、♭側に澄んだ五度[702cent]を6つで構成されています。
「白鍵の五度の濁り」はさほど気になりませんが、「唸りのない三度」は設定されません。もちろん、使えないような狂った響きはありません。
ヴァロッティとヤングⅡは、図で見ると一目瞭然で『ヴァロッティ』が白鍵と黒鍵で半分ずつになり、ヤングⅡが♯系と♭系に半分ずつとなっているのが分かります。
そしてヤングⅡのF-Cが 澄んだ純正五度[702cent]になる事は、バロック音楽の時代からよく使われたであろうパイプオルガンの調律法やヴェルクマイスターⅢやキルンベルガーⅢなどの五度・三度の配列に似通っています。
最近の古楽の演奏会でもよく使われているようです。
※KORGの電子チューナーMT-1200に設定されていた“ヴァロッティ&ヤング”の調律法は、私の持っているものを計測すると『ヴァロッティ』の値となっています。
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄