『ヴァロッティ』Francesco Antonio Vallotti
11 June 1697 – 10 January 1780
J.S.バッハ(1685~1750)と同時期にイタリアで活躍したヴァロッティは、作曲家・オルガニストであり、音楽学者でもあったようです。(Wikipedia から引用)
古典調律が注目された30年ほど前、“ヴァロッティ&ヤング” としてKORGの電子チューナーにも設定されていました。 (私の持っているKORG/MT-1200を測定すると、ほぼこの調律法の音程が設定されています)
『ヤングⅡ』と呼ばれる調律法では構成の手法は同じながら、五度圏で一つシャープ側に回転したものとなります。
ヴァロッティはヤングより生まれ年で76年古い人であることからも、二人の共同研究(?)でないことは明らかですね。
ヴァロッティの調律法は、この図で見るととても明快で、「ピタゴラスコンマ24cent」を「白鍵6つの五度で4centずつ均等に受け持った方法」と言えます。
図では[702cent]と[698cent]の2種類の五度が上下に半分ずつになります。
(ピタゴラスコンマを12この五度で2centずつ均等に受け持つと平均律になります)
この五度の配列により5種類の長三度ができ、♯や♭が少ない調ほど穏やかな、♯や♭が多い調ほど緊張感のある(唸りの多い)響きが構成されます。
「白鍵の五度の濁り」はさほど気になりませんが、、「唸りのない三度」や「うんとゆったりした三度」は設定されません。もちろん、使えないような狂った響きはありません。
ベルクマイスターⅢやキルンベルガーⅢよりも扱いやすいためか、最近の古楽の演奏会でもよく使われているようです。
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄