松蔭チャペルのオルガン
神戸 六甲山の麓の松蔭女子学院大学のチャペルには、素晴らしいコンセプトで建造されたフランスの「ガルニエオルガン」が奉納されている。
完成に至る様々な経緯を「オルガン奉納パンフレット」【LE GRAND ORGUE DE SHOIN】によって知ることができる。
当時はバブル景気の真っ只中。 コンサートホールに「平均律のオルガン」が どんどんと建造された時代にあって、「調律法やパイプオルガンが教会に果たす役割」を見据えて 研究が進められた、素晴らしい雰囲気が伝わってきます。
これらの研究成果が残されてから30年。やっと私たちも追いついて来られたと言えるのではないでしょうか?
ウルフの位置は、パイプオルガン調律法の歴史に沿ったもので♭A-♭Eに。4つの純正五度によりウルフを改善。
ミーントーン音律がCdurとFdurに配置され、4つの純正三度が設定されています。
♭2つのBdurまで厳格な あるいは ゆったりと落ち着いた響きを持ち、ミーントーンなどと同じく♭3つの調からウルフの影響を受けます。
一方 ♯が増えるごとに、長三度の唸りが少しずつ増え 華やいだ感じに。
♯4つの調から「広く心地の悪い長三度」が登場することになります。
このオルガン建造の中心となって関わられたのが平島達司(ひらしまたつし)氏。
平島先生に教えていただいた「音律の探り方」が、この「鍵盤楽器の為の十二音相環図」にも繋がっています。
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄