WerckmeisterⅢ1.5 forPiano
『ベルクマイスターⅢ1.5 forPiano』
根強い人気のベルクマイスターⅢ。古典調律法の中でも特に有名です。
この調律法を「現代ピアノに納まり良く設定」するために、8つの純正五度を少し濁らせ[701.5cent]に、4つの濁った五度を[697cent]に緩和しました。
1.5は、澄んだ五度を701.5centにする という意味です。
純正五度に設定すべき部分を「少し濁らせた」のは、ピアノではインハーモニーシティーと呼ばれる現象などのために、中音で作った純正五度が高音域で広い五度となってしまうからです。
また、中音部の純正に近い長三度の唸りは、低音で基音が足された時に、さらに純正に近づいた印象になるので、それも考慮しています。
こうすると、ベルクマイスターⅢの各調の個性を保ったまま コントラスト(極端な響きの違い)を薄めることになります。
オリジナルの「ベルクマイスターⅢ」の現代の耳に不慣れな「だいぶん濁った五度」や「広い三度[408¢]」に戸惑いを隠せない人にも 受け入れられる可能性が高いです。
(但し、中音域だけでの和音は、たとえF-aやC-eでも数えられるほどの唸りが出てしまうのはしかたがありません。)
ベルクマイスターⅢをピアノに設定しておられる人に、ぜひ試していただきたい方法です。
参考:【C-Gなどの「濁った五度」の度合い】(単位はcent)
ベルクマイスター[696]<ミーントーン[696.5]<バッハ印章[697.2]<バロッティ[698]<平均律[700]
和音の表情 ~いろいろな五度~
http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄