「音」っていっぱいありますね。

家の中でも、外でも、
自然の音も、人工の音も ・・・

私達の住んでいる世界には、様々な、ほんとうにたくさんの音があります。

ここでは、その中でも、音楽に使われる音 「楽音」 について考えたいと思います。

音楽では、少しでも 「いい音」 で聴きたい・演奏したい と 誰もが思います。
声でも、ヴァイオリンでも、もちろんピアノでも。

「いい音」って、どんな音なのでしょうか?

「澄んだ音」 と  「濁った音」 というものがあります。
「最も澄んだ音」というのを、音叉や時報などの、倍音を含まない「純音」と呼ばれるものとしましょう。
楽器の中では、リコーダーやパイプオルガンの音がそれに近いものだそうです。
特に、高い音ほど、人間の可聴範囲の問題もあり、澄んだ音に聴こえます。
「澄んだ音」は気持ちの良いもので、天使の声(音)にたとえられることがありますね。

しかし、私たちが感動する音のほとんどが、そういった「澄んだ音」ではないのです。
いっぱい濁った成分が混ざっていて、それで心地よく感じているのです。
ヴァイオリンの弓でこする摩擦音も、ピアノのハンマーが弦を打つ打撃音も、そして伸びている音の中にも濁った音がいっぱい含まれていますよ!

この「濁り具合の絶妙さ」が、心に響く「いい音」の重要な要素になっているらしいのです。 不思議ですね☆

そして、この「いい音」に、めっちゃ厳選された「音程」と「音量」が定められると「音楽」になっていきます。

ピアノでは、1オクターブに12個、「27HzのA」の音から「4186HzのC」の音まで、88個の音が並んでいます。
この約4000Hzの音を88に分けているだけでも「選ばれた88個の音達」と言えますが、
「ド」に対して、「ソ」の音程だけを取り出して考えるに、
無頓着な人の耳でも、半音の一割(1/10)も狂うと、明らかに変な感じがしてきますし、
「気持ちの良い音程」となると、半音の一分(1/100)ほどの精度で存在する必要があるのです。
(音楽家や調律師は、半音の一厘(1/1000)ほどの精度も聴き分けていますよ☆)

いかがですか?
音楽に使われる音は、「奇跡とも言えるほど厳選された音」と言えるのではないでしょうか。

「厳選された音」が 絶妙の並びや重なり・タイミング・長さ を得て 「音楽」 になっていきます。

「音楽」って、とっても贅沢ですね。

岡本芳雄 www.okamotopiano.jp