パイプオルガンに十二の鍵盤が出来たのが600年程前と考えられています。
その後、クラビーコードやチェンバロ そしてピアノフォルテが発明され、現代のピアノに至っています。

これらの鍵盤楽器には、時代と共に、様々な調律方法が試みられてきました。
『音』 が 『音律』 になるときに生まれる  どうしても解消できない誤差(?)を 、
「なんとかしよう !」 と 取り組んだものです。

例えば、グレゴリオ聖歌を歌う時の音程と考えられる『ピタゴラス律』
ルネサンス時代からパイプオルガンで使われた『ミーントーン』
バロック時代からの様々な『Well-Temperaments』 等々
たくさんの 『調律法』が 記録に残っています。

そして現代では、ほとんどの楽器に 『平均律』 が採用されています。
もちろん、都会的で「均等な美しさ」をもった平均律も たいへん素晴らしい調律法の一つですが…

300年程前 バッハが活躍した時代に、『鍵盤楽器の為の調律法』の研究 が大きな成果を上げているのです。
それは、それまでの調律法にできる「大きく狂った和音」を緩和し、
調により異なる「和音の響き」や「音高の違い」が、それぞれの個性として認められた ゴキゲンな調律法です。

各調が調性感をもった これらの調律法は『Well-Temperaments』(古典調律)と呼ばれ、
近年のバロック音楽の復活を先駆けとし、どんどん研究が進み、次第に広まってきています。

そして 私が 『古典調律法』 を 現代ピアノに取り入れようと取り組んで20年余りが経っていた ある日・・・
2006年11月の“バロックバイオリンの佐藤泉さんのコンサートの公演中” に、
この『鍵盤楽器の為の十二音相環図』が突然現れたのです。

これを作図することよって、私が長年施工してきた調律法の和音を視覚的に紹介できるようになりました。

また 、「古い時代から工夫研究されてきたいろいろな調律法」をこの図にすることにより、
その音色が視覚イメージに置き換えられ、たいへん比較・検討しやすいものとなりました。

これらの図を、古楽の専門の方や音律の研究を始められる方、また、ご家庭のリトルピアニストにもぜひ利用していただきたいと思い ご紹介させていただきます。

また、このサイトでは、ピアノ調律師として私の感じたこと・経験したことも、少しずつ発信していきたいと思っています。
詳しくは、「はじめに」やそれぞれのページを ぜひご覧ください。

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