音の三要素 ~音って3つで出来てるらしい~

身近で不思議な 3 7 12 の数。

三角形、色の三要素、音の三要素。  七色、一週間、7音階。  十二支、12ヶ月、1オクターブに12の音。

『1オクターブを10個で分ければよかったのに』・・・って思う人もいますが、
1オクターブに12の音」も「ドレミファソラシの7つの音」も「音の3要素」も、人間が決めたルールではなく、自然の法則で成り立っているのです。

『音』 の一瞬 を切り取ると、『大きさ』 『音色』 『音程』 の三つの要素で構成されているそうです。

今日は、調律師 の行う3つの作業から、この「音の三要素」を考えてみたいと思います。

1.アクションの調整(大きい音⇔小さい音)
深さ1㎝の鍵盤を びゅんと押すと、ハンマーが弦に強くあたり、弦は大きく振動し「大きい音」が出ます。
深さ1㎝の鍵盤を そっと押したり、鍵盤の「底の近く」から押すと、ハンマーが優しく弦にあたり、弦の振幅は小さく、「小さな音」が出ます。
調律師は、「小さい音を出したい時に小さい音」、「大きい音を出したい時には大きい音」を 思い通りにコントロールできるように、「鍵盤からハンマーまでのカラクリ」を調整しています

2.整音(やわらかい音⇔かたい音)
弦を叩くハンマーのフェルトが柔らかいとやわらかい音、それが硬いとやっぱりかたい音がでます。
柔らかい物で叩くのと、固い物で叩くのとでは、弦の振動の仕方(倍音構成)が変わるからだそうです。
もちろん、『音色』にはピアノ本体や弦やハンマー の質など、たくさんの要素が関連しています。
調律師は、弦を磨いたり、アクションを調整したり、ハンマーを整形したり、ハンマーに針を刺したり・・・して、音色(倍音構成)を整えています

3.調律(低い音⇔高い音)
ピアノには、通常88個の鍵盤が並んでいます。左の方が低い音、右の方が高い音ですね。
ピアノの中をのぞくと、弦が張ってあって、一番高い音の長さは、およそ5㎝。低くなるにつれて、だんだん長く・太くなっています。そして、引っぱり具合で音程を調整します。
音の高さは、1秒間に振動する数で表します。例えば、弦が1秒間に1回振動すると1Hz、音叉や時報のプッ・プッ・プッ・は440Hzの音程で鳴っています。
ピアノの音域は、27.5Hz(最低音A)~4186Hz(最高音C)。
調律師は、チューニングハンマーを使ってチューニングピンを回し、半音の1/1000くらいを聞き分けながら弦を緩めたり張ったりして音程を合わせています

この様に、ピアノ調律師の作業も、「音の三要素」を調整しているのです。(※修理などの作業は別要素)

『大きさ』 『音色』 『音程』、この『三つの要素』のみで構成されている 『音』 が、時間の経過と共に変化して、心地よい音楽として紡ぎだされます。

http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄