Bach WTC forPiano

BachWTCforPiano

『Bach WTC forPiano』

バッハ自筆の楽譜「平均律クラビーア曲集 第1巻」のタイトルページに描かれている“渦巻き模様”の調律法(Jobin氏解読)を、「現代ピアノに納まり良く設定」するために、4つの純正五度をほんの少し濁らせ[701.8cent]に、5つの五度の濁りを少し緩和して[697.3cent]に、そして3つの広い五度を[702.1]に、微調整しました。

オリジナルの調律法をそのまま現代のピアノに移すと、インハーモニーシティーと呼ばれる現象などにより全体の納まりが悪くなるので、個性を少し淡くして調律したものです。

『バッハの渦巻き模様が調律法を表しているのでは?』は、2000年頃から論じ始められました。
ベルクマイスターやキルンベルガーをはじめ、調律法の理論がたくさん書き残されている中、バッハが文で残した資料は見つかっていないようですが、長調・短調合わせて24の各調のプレリュードとフーガが納められた「平均律クラビーア曲集 第1巻」のタイトルページに描かれた渦巻き模様は、考察が進むほどに、バッハが示した調律法であろうことがはっきりしてきています。

2014-09-12より北美登利さん宅ピアノで施工観察中。
2015-07-09 古典調律研究会 北美登利さん宅ピアノで実験録音。ピアニスト:坪内久美子さん 録音:山下芳男さん
2018-05-10 古典調律研究会 村上智佐子さん宅のピアノで観察中。
Bach/WTCプレリュード1番Cdur
Bach/WTCプレリュード8番EsMoll(♭6つ)
ラフマニノフ/クライスラー愛の喜び(C-dur)
ラフマニノフ/クライスラー愛の悲しみ(A-moll)

参考:
【濁らせた五度の度合い】(単位はcent)
ベルクマイスター[696]<ミーントーン、キルンベルガーⅢ[696.5]<バッハ印章[697.2]<バッハWTCforPiano[697.3]<バロッティ、ヤングⅡ[698]<平均律[700]
【長三度C-eの度合い】(単位はcent)
ミーントーン、キルンベルガー[386]<バッハ印章[388.8]<バッハWTCforPiano[389.2]<ベルクマイスター[390]<バロッティ、ヤングⅡ[392]<平均律[400]

http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄