bass of Bach/WTC (A♭-E♭のウルフの最後の名残り)

beforeBach/WTC『バッハ/平均律クラビーア曲集 調律法の基として』
(筆者想像の調律法)

ルネサンス時代のパイプオルガンの調律法は、バロック時代に向かって少しずつ変化したようです。

ミーントーン[ウルフ](狂った五度)を緩和するために、プレトリウスでは、[ウルフ]の両脇を純正五度に替えています。 シュニットガーでは、さらにその両脇に二つの純正五度を配置して、狂った和音が緩和されています。(純正五度0個のミーントーンから2個4個へと増えていきます)
但し、祈りを旨として設定された8つの[純正三度]の数は、6つ4つと減り、その裏で、いろいろな個性の長三度が生まれることになったのがとても興味深いところです。

そして、この流れから考えると、「純正五度をさらに2つ増やす調律法」が工夫されていたのではないでしょうか?ウルフもなんとか気にならないくらいまで緩和できます。
←それを図にしたのがこちらです。
♭A-♭E に少し広い五度(705.5¢)が残りますが、ここからさらに・・・ と考えると、バッハが図で描き残したとされる、2つの調律法のコンセプトにぴたりとたどり着きます。

この時点で、祈りの三度はCとGの2つとなります。

「バッハ/平均律クラビーア曲集第1巻のタイトルページの模様」が示唆していると言われるJobin氏解読の調律法では、広い五度[705.5¢]の[+3.5¢]を3つの五度で分け合って703.1¢×3としています。
また、バッハが印章のデザインによって示唆していると言われている調律法では、C-e,G-hの完全な純正三度をあきらめ、[+3.5¢]を5つの狭い五度[696.5¢]へと振り分け[697.2¢]とすることにより、ミーントーンの名残りの広い五度を完全に解消しています。

この変化の様子をパラパラ動画風にまとめました。→ オルガンの調律法からの古典調律法の変遷 ※私の想像 にもかかわらず、やや強引にもっともらしく作っています。ご了承ください。

http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄