作図の方法

 

古くからある五度圏の図紀元前、ピタゴラスの時代から存在すると言われている五度圏の図があります。
この音名の配置を、鍵盤をイメージしやすいようにDを真下にし、下半分が白鍵になるように配置変えしました。

また、五度圏の基準音(±0cent)は、AではなくDに設定しています。
これは代表的な古典調律法と平均律の各音の音程差を少なくするためです。
(基準音をAにするとFやCなど、高い音の方が多くなるので…)

配置替えした五度圏の図 鍵盤楽器は、1オクターブに12の音が仕組んであります。
1オクターブは原則として、唸りのないぴったりな音程が必要なのは言うまでもありませんが、残りの11個の音程をいかに調律するかは、オルガンに[12音/1オクターブ]が作られた時(600年ほど前と考えられています)から現代に至るまで、関係者の大きな悩みと喜びの種だったに違いありません。
(1オクターブに13個以上の鍵盤を配置したオルガンも工夫されているほどです。)

音程を相対的な数値で表すcent(セント)という単位があります。半音を100centとしたものです。
一オクターブ=1200cent。平均律の五度=700cent。平均律の長三度=400cent。となります。
(調律師は、日々トレーニングされた耳により 半音の1/1000=0.1centを聴きわけて調律作業をしています。)

 

作図説明1作図に当たって、まず円(360°)を12等分します(点線)。
30°の角度が「平均律の五度700cent」となります。
「702centの純正五度」の角度は2cent分広げ、「700centより狭い五度」の角度は、その分狭くしています。

参考:すべての五度を「純正五度の702cent」にすることはできません。12個で一周の360°を超えてしまうからです。700centより広げた五度をつくると、どこかでその分狭くしてつじつまを合わさなければなりません。反対に、「平均律より唸りの少ない長三度」をつくるためには、「平均律より狭い五度」をつくる必要が出てきますが、その分どこかで「平均律より広い五度」をつくらなければなりません。

※五度の角度: 正確な図としては、1cent=30°÷700にしたいところでしたが、目で見てその違いを認識できないので10倍にしました。するとちょうどイメージ通りとなりました。それだけ耳のセンサーは高性能であると言う事でしょうか?
(1cent=30°÷700×10=0.42857°に設定)

着色については、「純正五度702cent」を
五度が狭くなるに従いグレーを濃くしています。
調律法によっては、「702centよりも広いもの」があります。この場合はピンクまたは、濁ったピンクを使いました。

次に、五度圏の円の半径を8等分し、外周から4つ目の同心円を「400cent」と設定します。この位置と外周の内側に入る楕円が、ちょうど「平均律のイメージに合った」形となり、に着色しました。

純正三度の響きをご存知でしょうか? 平均律に慣れ親しんだ現代人には、「うなりの無い純正三度の響き」を、それと認識している人が大変少ないのが現状です。
しかし、合唱や弦楽合奏・ブラスアンサンブルなどの心地よいハーモニーの中では不可欠な和音です。祈りを象徴する和音と考えています。

この「うなりのない純正長三度386cent」を、上記設定した平均律五度の中に「ぴったり内接する真円」として設定しました。
「真円が接する中心側の同心円」をに着色しています。

「平均律長三度400cent」の同心円()と「純正長三度386cent」の同心円()の差[400-386]を14等分し1centの幅を設定、さらに中心に向かって同心円を書き足すと、「長三度(楕円)のための同心円定規(単位は1cent)」ができます。次に、この「段階的に着色した定規」に従い、それぞれの「長三度の楕円」を描いていきます。「ピタゴラスの長三度408sent」は。「それよりも唸りの多い長三度」は、さらに濃い色になっています。(見た目がやかましくなったので後にピタゴラス三度以上の同心円スケールを薄く修正)

※「平均律五度の中にぴったり内接する真円」を純正長三度と設定しましたので、純正五度や狭い五度の中にもってくると、ちょっと背の高い黄色い楕円や幅の広い紺の楕円等ができてしまいますが、三和音として弾いた時のイメージにちょうど合うので、それも良しとしています。

最後に各和音のcent数を書き加えました。( )の中は、純正和音と比べた数値です。この書き込みが終わった時、中心の円が太陽に見えた勢いでオレンジに着色しました。全体が宇宙にも見えてきて、気持ち良く思っています。

尚、古典調律法の作図にあたっては、平島先生の『ゼロビートの再発見』をはじめ、先人が積み重ねられたご研究成果によるデータを元にさせていただいています。

http://okamotopiano.jp 岡本ピアノ工房 岡本芳雄