Bach’s Seal 1.0

Bach-Seal1.0『Bach’s Seal1.0 』

バッハの印章の王冠が示しているとされる調律法では、7つの純正五度[702¢]と5つの濁った五度[697.2¢]が使われています。参照:crown of Bach’s seal

その調律法の調性感を平均律に近い音程で楽しめるように、7つの純正五度を少し濁らせ[701¢]に、5つの濁った五度を[698.6¢]に設定しました。

それによって出来る各々の長三度の音色(唸り)のコントラストは、元の「Bach’sSeal2.0」と比べると、だいぶん穏やかなものになります。
オリジナルが持つ[697.2¢]からなるC-e-GとG-b-Dの厳格な響きは期待できませんが、ピタゴラス三度[408cent]が[404cent]になったことにより、不慣れな唸りの多い長三度で戸惑うこともないでしょう。

1.0は、澄んだ五度を701.0¢にする という意味のネーミングです。五度の音程を平均律[700¢]に近づけることにより、さらに淡いコントラストで楽しむことも可能です。
これは、私のオリジナル調律法開拓中に得て長年実施してきたVeryWell 1の手法です。

和音のコントラストが小さくなっても、注意深く聴くと、ルネサンスの頃から時代と共に変化・構築され 現代まで引き継がれた調の個性が 感じられると思います。また、平均律の隠し味としても楽しんでいただくことが出来ると思っています。
1.0以上なら古楽の演奏でも重宝されることでしょう。

※図の中の印章のデザインは模写です。J.S.Bのイニシャルが目立つように描きました。王冠の真珠には、図で設定している五度の色を着色しています。

 

音の資料
2014/06/09 演奏:大竹道哉さん 曲目:ショパン/バラード2番(F-dur) 調律:Bach’sSeal1.2(岡本芳雄)
2014/04/26 演奏:高木美香さん 曲目:モーツァルト/ピアノソナタ第11番 1楽章主題部分(A-dur) 調律:Bach’sSeal1.0(岡本芳雄)
2015/06/09 演奏:高木美香さん 曲目:モーツァルト/ピアノソナタ第11番 1楽章主題部分(A-dur) 調律:Bach’sSeal1.2(岡本芳雄)
2015/06/09 演奏:高木美香さん 曲目:ショパン/前奏曲「雨だれ」(Des-dur) 調律:Bach’sSeal1.2(岡本芳雄)
2015/06/09 演奏:高木美香さん 曲目:リスト/コンソレーションNo.3(Des-dur) 調律:Bach’sSeal1.2(岡本芳雄)
2017/04/01 発売CD 演奏:稲岡千架さん モーツァルト/ロンド ソナタ  調律:Bach’sSeal1.0(加藤正人さん)

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